Dnzhn9gI971K56u8Q_rSlkKqTr1UC1cS5yEHG8mF1iE 【看護師不足】看護師が現場に足りないって本当?看護師数の現状を教えます | 今日も幸せな看護師人生を!

【看護師不足】看護師が現場に足りないって本当?看護師数の現状を教えます

研究紹介

本当に日本の看護師は不足している??

 

「看護師不足」という言葉はどこでも聞くとは思いますが,皆さん現在の日本の看護師数はご存知ですか?

 

厚生労働省の調査によると平成30年の看護師数は全体で約120万人,自分の身近な男性看護師数は約9.5万人(7.8%)という現状となっています.

平成が始まって30年,看護師数は約3倍まで伸びてきています.

単純に看護師数だけを見てみると増えているのに,なぜこうも現場の看護師は不足という言葉が行き交っているのでしょうか?

看護師が何人になればいいかご存知ですか?

様々な視点から看護師不足を考えている論文を見つけたのでこの記事では紹介しようと思います.

 

参考文献:日本における看護師不足の実態 

 

 

量的な看護師不足の実態

 

日本における看護師不足って,様々な視点から見てどうなのかをこの章では述べています.

  • 2025年問題から見た看護師不足厚生労働省は2025年には196万人~206万人の看護師が必要になると予想している.看護師は2015年時点で163万人,年平均で3万人ずつ増加傾向にあり,あと10年で30万人の増加を見込み193万人.このままいくと約3万人~13万人ほど不足の状態が考えられている.
  • 国際比較から見た看護師不足他国と比較すると看護師数自体はそこまで少なくない.病院病床数が多いため看護師の割合が低くなり,看護師数少ないと誤解されやすい.
    日本も病床数削減・在院日数の短縮させて対応しているが,この影響により重症患者ばかりの入院や頻繁な入退院業務による急性期病院看護師が大変になっている.一方で,満席病院はもともと人員配置基準が低い上,重症患者が回ってきて看護サービスの質の低下に繋がりかねない.単にベッド数を減らしていいわけではないし,他国との比較は医療文化や制度の違いもあることを考慮しておく.

  • 就業場所別の看護師不足:看護師は就業先として病院や診療所を選択する傾向が強い,これは賃金や福祉などの労働条件が良いこと,最先端の医療を学びたいと考えている人が多いことが原因である?
  • 地域別の看護 師不足採用力の大都市は看護師を確保することができている一方で,中小規模病院の看護師は不足している.その理由の1つとして,2006年の7:1の看護配置がある.7:1の看護配置基準は,簡単に言うと患者数に対してある一定度の看護師を確保することができれば病院側により多くのお金が入るということ.これにより大都市の病院との競争に強いられ,中小規模病院は看護師確保が困難になり看護師不足の状況に追い込まれ格差が生じている.ただ7:1の看護配置基準は患者の状態や重症度に合わせた配置基準ではない.患者の「ニーズ・ベース」ではなく人数だけを確保すればいい看護師の「供給ベース」になってしまっている.
    7:1看護配置基準自体は悪くはない,看護師を確保しようとする動きはいい.2025年に向けて200万人必要となると,看護師の絶対数が足りないだけということになる!?

 

考察として,2025年までに高齢者を支えるためには約200万人必要とされている看護師ですが,確かに現状約120万人と考えると,絶対数が足りないですね.

ただ労働力・つまり人手不足というのはどこの業界でも言われていることで,それを解決するために「働き方改革」というものが打ち出されました.

「今いる人材で労働生産性を高めて,豊かな社会を実現しよう!」ということでしたが,体感として看護の現場ではまだまだその働き方改革を理解して,労働生産性を図る取り組みが足りないのではないかなと思っています.

労働生産性高めるというと大げさですが,「少しでも今の業務量でいかにラクにできるのかを考えていくこと」ができれば自然と生産性は上がっていくと思っています.

 

 

看護師の離職率の特徴と離職理由

 

次の章では,看護師が離職してしまう看護師ならではの特徴と,離職理由について触れられています.

  • 看護師離職率2010年に常勤が11.2%,新卒が8.6%.看護職は一般労働は違い,就労のために国家試験を経て資格を取得しなければいけない専門職なのに年間10万人以上離職している状況は異常ではないか!?
    「看護師は労働条件が悪くて離職率が高い一方で,復職率が低い職業.」

  • 病院規模の離職率中小規模の病院では離職が多く,特に都市部が多い.それは大都市では転職の選択肢が多いので大規模病院などよりより条件の就職先があれば簡単にに中小病院から離職し転職できる.一方過疎地域では就職先が少ないためそのような離職が少ない.
  • 看護配置別の離職率:一般病棟において手厚い看護配置の病院では,就業する看護職員が常勤も新卒も低い離職率でその効果が現れている.
  • まとめ:質の良い看護サービスを提供するには看護師の人数の増加が重要であるが,その看護師の熟練度とサービスの質がもっとも重要.つまり量的不足を解決しようとして新人看護師ばかり増やしても効果的かつ質の高い看護サービスを提供するのは難しい.熟練看護師の育成できる看護労働条件を整備することが最も重要.しかし,看護師の離職率が10%以上続く現状では看護師不足が続き,一人の看護師の負担が大きく,専門職として満足できる看護の提供ができないストレスや不安が生じて離職するという悪循環が繰り返される傾向となっている.それは,まだ経験の浅い看護師が熟練の看護師に成長するまでの経験を積む機会を失うことにつながる.

 

  • 看護師の離職理由:「結婚」「妊娠・出産」「子育て」など女性のライフサイクルや自身の問題が多いが,「勤務時間が長い・超過勤務が多い」「夜勤の負担が大きい」「休暇がとれない」といった医療現場の労働条件による離職も少なくない.
  • 看護管理者と個人の看護師との労働条件の問題や離職理由に対する認識のズレもある.
  • まとめ:ライフサイクルによる離職理由は,確かに看護師自身の問題とは言えるが,その問題自体は大きな影響を及ぼす問題ではない.結局の所,家庭や社会から職場に至るまで,看護師の就業に対して十分な支援を提供していないことが原因で,離職せざるを得ない状況に追い込まれてしまう.家庭や社会が看護師の労働実態に対してもっと関心を示し,職場においては労働状況を改善するなどの支援にもっと力をいれることが,少子化である日本対する看護師確保の解決策.
  • 新卒看護師は医療施設における教育研修制度が重要.日本看護協会の調査では教育研修制度が整備されていると離職率は8.8%,されていないと39.6%という報告もある.

 

この章を読んで,たしかに少子化が進んでいる日本において新人看護師よりも,ある程度経験を積んだ看護師を確保することが手っ取り早い気がしました.そのためには中堅看護師の人たちが求めているニーズを察して,労働条件を整えていかないといけないなと.

あと個人的には離職理由のズレも気になりました.やっぱり今の時代,働く人は仕事に対してある程度やりがいを求めているのではないかと思います.福利厚生や働きやすさなどは正直どこの病院も大きな特徴はない中で,個人的には看護師の確保・維持のためにはやりがいのある職場環境が大切なのではないかと思います.

 

 

潜在看護師の存在

 

この章では,看護師の資格を持ってはいるけれども働いていない看護師,つまり潜在看護師について触れています.

  • 潜在看護師について2006年末時点の潜在看護師数は65万人強で,潜在率が35.3%と推測されている.3割を超える人が看護師として働いていない現状は問題点として重視されるべき.
  • 離職期間が長く慣ればなるほど看護職員としての再就職希望が減少する.つまり潜在看護師の期間が伸びる.
  • 年齢別に見た潜在看護師30代が30%を占めて一番多い.その次に40代,50代が20%近くで多い.約70%近くが30−40代で占められている.
  • 潜在看護師の中でも今後「看護職員として働きたい」と答えたのは77.6%で高い割合となっている.条件次第で復職を希望している人は多い.
  • 妊娠・出産・結婚・子育てなどの家庭要因を理由に離職した人のほうが,労働条件や健康・仕事に関する理由で離職した人より復職したいと考えていた.
  • 潜在看護師が考えている再就職のための条件として.賃金よりは「家庭との両立を重視した働き方」をしたい人が多い.

 

先に述べたように,熟練看護師を確保していく必要性があるにも関わらず,そのレベルに値する多くの看護師たちが働いていない現状にあることを学びました.

そんな潜在看護師にとって,求めている条件は賃金よりも「家庭との両立」

それを実現するためにはフレキシブルな時間勤務や,家庭への理解がなされた職場の雰囲気などが大切になってくるのではないしょうか.

具体的なことはまだわかりませんが,また何か情報が入れば共有したいと思います.

 

 

まとめ

 

看護師確保に対する対策は政府によって行われていることにもこの論文では触れられていましたが,長くなりますし,まだ良い対策が行われていない現状にあるようなので割愛しました.

 

最後に,海外の研究では看護師不足に関してこんな報告があります.

「看護師の受け持ちが増える,つまり一人の看護師の担当が4人から5人に増えると一般的な手術で30日以内の患者死亡率が7%上昇し,8人に増えると31%の死亡率増加につながる.」

「看護師によるケアが長いほど入院日数が短縮され,尿路感染及び上部消化管出血の発生率も低く,肺炎や心臓発作の発生率も低く,救命の失敗が少なくなる」

看護師によるケアが患者の生命の安全に貢献していることが分かりますね.
言い換えれば看護師が十分にいなければ患者の生命や安全を守れないということですね.

 

なので,やっぱり患者ファーストで考えるのであればやっぱり看護師確保は早急に取り組まなければならない問題であることがわかります.

逆に患者目線で行くと,いつも忙しそうにして自分へのケアの時間が少ない病院は避けたほうがよく,入院するための病院選びの基準にもなると思います.

看護師不足,これからの日本を支えるためにも潜在看護師を取りに行かないといけないのかもしれないことを学ぶことができました.

 

 

長くなりましたが,最後までありがとうございました.

参考文献

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