Dnzhn9gI971K56u8Q_rSlkKqTr1UC1cS5yEHG8mF1iE 【比較研究】日本とアメリカの看護管理者の違い知っていますか?マグネットホスピタルに学ぶリーダーシップとマネジメント | 今日も幸せな看護師人生を!

【比較研究】日本とアメリカの看護管理者の違い知っていますか?マグネットホスピタルに学ぶリーダーシップとマネジメント

研究紹介

日本の病院とアメリカのマグネットホスピタルの看護管理者の違い

 

研究紹介シリーズ「マグネットホスピタル」についてです!

今回紹介する論文はこちらです

看護管理者のリーダシップとマネジメントスタイルに関する文化差の研究−米国のマグネットホスピタルと日本の病院の事例検討− 富永真己ら(2012)

 

看護師をひきつけて離さない病院「マグネットホスピタル」と日本の病院の”リーダシップ”と”マネジメントスタイル”を,実際に看護管理者にインタビューをして比較した研究になります.

マグネットホスピタルであるために,特に重要な要素である”看護リーダーシップの質””マネジメントスタイル”

この2つの文化差を含めて事例検討を行って,日本の病院の看護師の離職防止と定着確保のための示唆を得ようとに行った研究です.

 

なんとなくですが,日本の看護管理者といえば,年功序列でおばさんが多いイメージですが…

それをインタビューして検討してくれている論文です,実際にどんな違いがあるのかを見ていきましょう!

 

 

 

そもそもの日米の医療と病院の背景にある文化差

  • 米国
    日本よりも遥かに公共的な性格と,医師から独立した分権的な管理構造を持つ.
    西洋医療はキリスト教に由来する慈善・奉仕の思想が根底にあり,病院は医師とは独立した分権的な管理構造を持ち,慈善的な性格を含んだ公のものとして設立・運営されてきた.
    マグネットホスピタルは,公共的な性格とともに医師から独立した分権的な管理構造を起源としている病院であるからこそ発展した組織とも言えよう.

  • 日本
    江戸時代の庶民が士農工商の身分の枠を破って出世するための仕事として医業が普及した.
    「開業医の家」の延長のような閉鎖的な家内医業として発展したものが日本の病院であった.

 

歴史的に見てみるとそもそも病院の成り立ちが違うということですね.米国の病院では医師が常駐せず,看護師自身で病院経営をしているなんて日本の病院では考えられないですね.

日本の病院長は医師,副院長が看護師のような体制を取られており,日本の医師会が立場が大きいことも影響しています.

どちらかというと,日本の訪問看護ステーションのように看護師が病院経営をしているようなことが,米国の病院では行われているイメージに近いでしょうか.

 

 

マグネットホスピタルと日本の病院の”看護管理者”の違い

  • 違い:病院の管理管理者に関する透明性,公正さに加えて,組織の教育体制への積極性が明らかとなった.
  • 米国
    優れたリーダーシップのとそれを発揮する中間管理職である看護管理者の質が,マグネティズムに何よりも重要であり,それこそが非マグネットホスピタルと異なる点であるという考えがある.
    その看護管理者の質を客観的に測る質の1つとして学位や社会的に価値が認められた資格がある.マグネットホスピタルでは申請基準に看護部長の修士号以上の学位を上げている
    採用後の看護師と看護管理者に対して,積極的な教育体制を整備していた.具体的には,看護師免許の更新に必要な研修会,大学と連携し直接関係しない経営学修士のための項目についても履修に対する時間の優遇措置や奨学金や費用の助成制度があった.

  • 日本
    看護管理者の要件と採用方法についてもどちらかというと曖昧.
    伝統的な人事方式である年功序列と終身雇用という文化が,閉鎖的な家内医業的な管理構造をもつ病院で受け継がれて来たから.
    米国みたいに修士号を看護管理者の要件にしてしまうと,それを満たす人が非常に少ないという現状もある.
    米国ほど積極的に教育体制も整備されていない.

 

たしかに日本で,看護管理者になるためには修士号以上の学位が必要なんて掲げてしまうと,看護管理者なんてほとんどいなくなってしまいますね−.

ただこの考え方の根底にあるのは,「学び続ける姿勢とその素質」かなと思います.

マグネティズムの最重要事項として,リーダーシップがあるにも関わらず,年功序列でただ働いているだけで看護管理者なんかになってしまうから日本の看護師はやりがいなく辞めたいと言っている人たちが増えている現状があるのではないかと思います.

日本の看護管理者は修士号を取らないまでも,働きやすい職場環境を作るための姿勢が大切ですね.

 

 

マグネットホスピタルと日本の病院の”看護管理者におけるリーダーシップ”

  • 米国
    日本では考えられない範囲の権限が委譲され,リーダーシップを発揮していた.
    そもそもマグネットホスピタルにおいて,看護管理者が権限を有する構造でなければ,組織の変化はありえないという考えと,そこに基づくShared governanceが認められていた.
    日本のように国民皆保険もなければ,医療保険点数の加算というシステムもない.コスト削減と収入の増大については看護管理者がバランスを考えないといけない.看護管理者が病院経営に取り組まなければならないので,看護の質や患者満足度などを得られないと,病院が潰れてしまう.
    その分,看護管理者に対する「責任」という部分において,Shared governanceの名のもとに,幅広い裁量権を与える一方で,病院経営を含めた責任を果たすためのリーダーシップを求めている
    Shared governance:権利の共有.看護管理者だけでなく病棟スタッフにも求められており,看護管理者の採用に病棟スタッフも面接官として関わっていた.

  • 日本
    リーダーシップを発揮しているのは日本では看護部長のレベルに留まっていた.これは看護管理者の交代でその取組が全てなし崩しになってしまう可能性を示唆する.
    日本でもShared governanceとともに,裁量権を委譲された看護管理者のみならず個々の看護師が,その責任を果たすべくリーダーシップを発揮していくよう,ここの病棟科の健全な労働環境整備と組織全体の組織体制の整備が求められる

 

看護師長レベルで病院経営をしている米国と,そうでない日本を比べると全然”裁量権”みたいなものが日米で違いますね.

この章でのキーワードは,Shared governance.

日本は看護部長レベルでしか経営を回していないと.確かに看護師レベルでそれぞれがリーダーシップを発揮する病棟は,組織の中でも一段と飛び抜けていきそうな雰囲気はありますね.

ゆくゆくは,それが職務満足度などにつながっていきそうな気もします.

 

 

マグネットホスピタルと日本の病院の看護管理者における”マネジメントスタイル”

 

  • 日本の病院とマグネットホスピタル共通して,多様な雇用形態や勤務形態の工夫を行っていたことで,長時間労働による過重労働や蓄積疲労は深刻な問題となっていなかった.
  • 米国
    「州・組織・組合の規則の遵守」など共通して組織全体の方針のもと,看護管理者が勤務の時間管理の徹底に努めていた.

  • 日本
    勤務時間の管理などは看護部長,つまり個の力が大きい.日本では伝統的に労働者が組織に検診して,仕事に従事することが社会的美徳としてみなされてきたためである
    日本の看護師定着のマネジメントスタイルの最低条件として,組織全体としての多様な雇用形態や勤務形態の工夫とともに,勤務時間を始め労使間のルールを遵守することが挙げられる.
    勤務管理についても,日本では未払い残業もあるなど組織側のみならず個人のレベルに置いても意識が低いと認めざるを得ない.

 

マネジメントスタイルについては,日米ともに工夫して働こうとする姿があったみたいで,日本の病院についても良い点があったのはよかったです.

ただ,確かに日本の看護師の残業に対する意識の低さは伺えますね.

他の論文でもアメリカでは定時になると,次の人に残った仕事を引き継いでさっさと帰ってしまうそうです.

やっぱり残業している人,長く働いている人は「すごい」という考えではなくて,「仕事ができない人」という考えを持ったほうがみんな定時で上がるように全力を尽くす職場雰囲気になっていきそうな気がします.

残業している人は,だらだら働いているだけかもしれませんからね.本当にすごい人は定時で帰ってる人です!

 

 

まとめ

 

約5年前,大学生時代に先生から「アメリカの看護は,日本の30年進んでいる」という言葉を聞きました.

その言葉が真実かどうかはわかりませんが,アメリカのマグネットホスピタルが始まったのは1990年台.
そして,聖路加国際病院が,日本で初めてマグネットホスピタルの認証を受けた2019年.

この間約30年.

全てをアメリカのモノマネをする,アメリカが全て正しい,という考えは危険だとは思いますが...

ただ,学ぶべきことはあるのではと思ってしまいます.

いつかは実際に海外のマグネットホスピタルに見学にでも行きたいものです!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

 

 

 

 

参考文献
富永真己(2012)看護管理者のリーダーシップとマネジメントスタイルに関する文化差の研究 –米国のマグネット・ホスピタルと日本の病院の事例検討- (原著論文)

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